NSR150
NSR250
NSR150
タイで2002年まで生産されていた。2灯式の前照灯を持つレプソルカラーのNSR150SPと一般モデルのNSR150RRがあった。NSR250Rに比べると安価で入手できたモデルで[要出典]、生産終了後もタイ・ホンダ製のオートバイを専門に扱う輸入販売店によって、中古車両の再生という形で販売が行われていた[1]。
HRCから販売されたレース専用車両のNSR150は、NSR150SPから保安部品を取り外し、エンジンなどにレース専用部品を取り付けた仕様で生産された。鉄フレームの強度不足などの理由から亀裂の発生が指摘された。
NSR250R / SP / SE
NSR250はWGPの競技車両であるワークスレーサーNSR500のレプリカで、市販車ではNSRの最上級モデルになる。大きく4車種に分かれる。初代モデルから、ヤマハTZR250R、スズキRGV250Γとの三つ巴で熾烈な2ストローク技術競争が繰り広げられ、1987年から1990年の間は毎年モデルチェンジが行われていた。
NSR250RG(初代)
型式MC16。1986年にNS250Rのフルモデルチェンジ車として登場した。新設計の“目の字”断面をもつアルミニウム製ツイン・スパーフレームに、クランクケースリードバルブの水冷2ストローク90°V型2気筒エンジンを搭載し、競技専用車RS250Rをそのまま公道用にスケールダウンしたようなレーシーな姿をまとっていた。エンジンのクランクケースなど、一部部品には「HONDA RACING」の刻印が入り、競技用車両とパーツの設計を一にしている点も注目された。
NSR250RJ - RK(2代目)
型式MC18。スピードリミッター無しの最後のモデル。2代目のモデルは1987年11月に登場した。なお、この1988年モデルは市販レーサーのRS250と同時開発された。 このモデルは約2年間販売され、1989年式は1989年2月に発売された。このモデルからテールランプの意匠が丸目2灯となった。
1989年式では、エンジンの出力特性を制御するコンピューターがPGM-II(PGMとはprogramedの略)へ、キャブレターがPGMキャブレターIIへ進化するなどし、最高出力45ps/9,500rpm 最大トルク3.7kgm/8,500rpm と'88NSRと変わらないものの、前年式よりも幾分マイルドな出力特性が与えられた。 この年はFIMのレース規則が変更され、カウル前端をフロントタイヤの中心線よりも前方まで伸ばすことができるようになったが、公道モデルのNSRもそれにあわせて形状が変更された。
また、MC18からは上位グレードとしてSP(Sports Production)が限定リリースされた。 これらはマグネシウムホイールと乾式多板クラッチ('89)が装備され、'88NSR SPには、ロードレース世界選手権 (WGP) GP500クラスで活躍するワークスチーム、ロスマンズ・ホンダレーシングのNSR500と同じ「ロスマンズカラー」、'89NSR SPには、WGP GP250クラスで活躍するワークスチーム、味の素・ホンダレーシングの清水選手の「味の素テラカラー」軽量のマグネシウム製ホイールや高効率の乾式多板クラッチを標準装備した2サイクル・スーパースポーツバイク「ホンダNSR250 SP」が、それぞれ用意された。
MC18にはSPグレードとは別に、F3用キットパーツをあらかじめ組み込んだコンペティション用コンプリートマシンとしてHRCより少数が発売された「NSR250RK」が存在する(紛らわしいがHRCのKはキットパーツのKであり市販車の年式(89年モデル)をあらわすNSR250RKとは別)。 これはNSR-SPをベースに、専用の補強入りフレームや専用の車高調整機構付きサスペンション、多数の変更が加えられたエンジンや電装を装備したTT-F3専用車両であり、SPとはまったくの別物と言ってよい。エンジン部品で専用なのはクランクケースのみだが、純正と同じ金型から生み出されながら、ほぼ全ての部品が同年式の競技専用車であるRS250の部品と見まがうばかりに加工されたものであり、その動力性能はRS250に肉薄するほどである。 その価格差から細部のクオリティは見劣りするものの、そうして世に送り出されたRK達はサーキットを席巻し、GP250クラスと互角に近いタイムを叩き出し、4ストローク400ccの車両を打ちのめし続けた。 惜しむらくはRKが生み出されたわずか数年後にTT-F3クラスが廃止されてしまったことである。
なお、この車両はスリックタイヤ対応のためホイールサイズもRS250と同等に変更されている(Frは可能だがRrに互換性はない)。専用キャブレターボックスと専用ダクトを装備し、PGMキャブレターは装備されていない。ACGは専用品の軽量ローターを使用するため公道用NSRと互換はない。
NSR250RL - RN(3代目)
型式MC21。1990年2月登場の3代目モデルは大きな外観デザイン変更を受けた。アッパーカウル形状はスラントノーズで、小さく特徴的だったヘッドライトはスマートな薄型幅広形状の2灯ハロゲンヘッドライトに変更された。リアシートカウルは上方へ跳ね上がり、クラウチングスタイルとなる。
もっとも大きな外観上の変更点は、スイングアームへの“ガルアーム”の採用である。「ガルアーム」とは、V型2気筒エンジンの後方シリンダーから延びる排気用チャンバー形状の高効率化を目的として、右側スイングアームと前方シリンダーの排気チャンバーが干渉しないよう、スイングアームを「への字」に屈曲させたもの。ホンダワークスレーサーでは'89年のNSR500から採用された技術である。
また、エンジンはシリンダー、シリンダーヘッド、クランクケース、クランクシャフト等の主要部品が新設計され、出力特性を制御するコンピューターもPGM-IIIに進化し、扱いやすさを兼ね備えた出力特性が与えられた。
このMC21では1990年4月にSPが発売され、1991年5月にSPとSTDモデルの中間に位置するSEが発売された。1992年1月にMC21後期型とSE、SPが発売。
また、MC21はジムカーナライダーの中でも特に戦闘力の高い車両とされており、大会になると上位陣の大半(現在はかなり減ったが、それでもまだ多い)がNSR250Rで占められるなど猛威を振るっている。
なお、MC21までが45馬力、MC28はオートバイメーカー4社の自主規制により40馬力になっている。
- STD(スタンダード仕様)
- SE(SPベースだが一般公道向きのSTDと同じミッションで乾式多板クラッチや前後サスペンションに減衰力調整機構を装備)
- SP(前後マグネシウムホイールを装備。ロスマンズやHRCなどのワークスカラーを採用)
の3グレードがあった。
NSR250RR - RT(4代目)
MC28最終型。1993年に登場したモデルで、NSR250Rとしては最終モデルになる。外観上最大の変更点は、MC21で採用された「ガルアーム」が片持式スイングアームである「プロアーム」になった点ではあるが、これは耐久レーサーRVFからのフィードバックである(WGPマシンはアームの向きが逆でチェーンラインも逆になる)。 またチャンバーの入り口を絞ることにより40馬力にパワーダウンされているが、 社外品のチャンバーに交換することにより本来のパワーにすることが可能である。 エンジンマネージメントシステムはPGM-IVに進化。ハンドルロックの解除やエンジンを始動する際に使用するキーは、PGMメモリーカードと呼ばれるカードキーとなり、通常の公道用PGMメモリカードの他に、競技専用のPGMメモリカードを使用することでエンジンの特性を簡単に変更することができた。 またこのモデルからヘッドライトが常時点灯型となった。
主な新機能として、
- 片持ち式リンク式スイングアーム、プロアームの採用。
- 2輪車初のカードキー(PGMメモリーカード)採用。
- 液晶デジタル表示のスピードメーターに変更。
- ハザードランプスイッチ装備。
- ポジションランプ内蔵型ウインカーを採用。
がある。
グレードは
- STD(スタンダード仕様)
- SE(乾式多板クラッチや前後サスペンションに減衰力調整機構を装備。)
- SP(SEをベースに、マグテックホイール(エンケイ製のマグネシウム合金を使用した廉価な軽量ホイール)・フロントサスペンションは、路面追従性に優れたニュー・カートリッジタイプを装備(工具なしで減衰調整可能)ロスマンズやHRC、レプソルホンダなどのワークスカラーを採用)
の3つがあった。
1990年代後半、日本国内において関心が高まっていた排ガス規制問題(特に都市部における)に対しホンダは、「今後の市販車は50ccのスクーターからスポーツモデルまで、2ストロークエンジンでは自動車排出ガス規制の新基準に適合しないため、一部の競技専用車を除き、全てクリーンな4ストロークエンジン、PGM-FIを採用していく」という方針を固め、NSR250Rも日本国内では1999年を最後に販売が終了した。なお、最終的にSEグレードのみが販売され、輸出車は存在せず日本国内モデルとして1980年代、1990年代初期に旋風を巻き起こしたNSR250Rの歴史に幕を降ろすこととなる。
2011年現在、2ストロークのレーサーレプリカは新車のラインナップとして存在しないため、希少価値や愛好家からの局所的人気により、NSRに限らず、中古車市場では新車時の価格を上回る高い値段で取引されることもある。状態の良いものになると、車両価格が現行1000ccクラスと同等となる車両まで存在する。
「出典:ウィキペディア」
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